金ヶ崎芸術大学校とは
かつての仙台藩の要害跡が残る岩手県胆沢郡金ケ崎町。北上川と胆沢川の流れが削りだした台地の上に静かにたたずむ近世の武家屋敷の町並みは国の重要伝統的建造物群に保存されています。小路に連なる生け垣やエグネ(屋敷林)ごしに見える大屋根など、人々の暮らしとともに受け継がれてきたこの場所に、江戸時代末期に建てられたとされる「旧菅原家侍住宅」があります。樹齢200年とも言われるサルスベリが特徴的な家です。2018年より、この物件を「金ケ崎芸術大学校」として活用する新しいプロジェクトが始まりました。
ここでは金ケ崎町に暮らす人々との協働のもと、この場所ならではの創造的な日常をつくりあげていくことを目指しています。農業や造園、料理など日々の生活を見つめ直し、そこに創造的な営みを見出していくことを試みてきました。一連の実践の道しるべとなるのは、岩手県出身の詩人である宮沢賢治が花巻に設立した「羅須地人協会」です。農村の生活改善と「農民藝術」の拠点として構想されたこの場所の理念を現代の金ケ崎に置き換えた時、そこにはどのような空間が生み出されるのでしょうか。幸いにも金ケ崎の武家屋敷は「半農半士」の構造を持っていたため、敷地内にはちょうどよい畑が残っています。そのような「裏の畑」も存分に活用しながらそれぞれの季節に応じた「時間」を積み重ねていくことで、この場所の使い方を実験する毎日です。
金ケ崎芸術大学校代表 市川寛也
主催 金ケ崎芸術大学校
共催 金ケ崎まちづくり研究会
助成 公益財団法人トヨタ財団(2019・2020年度)、公益財団法人福武財団(2019年度)、公益財団法人日本科学協会(2019・2020年度)、一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団(2020年度)、公益財団法人朝日新聞文化財団(2020年度)
協力 えさし郷土文化館、人首文庫、まよひが企画、東北妖怪文化研究センター、怪異妖怪会議
後援 金ケ崎町、金ケ崎町教育委員会